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2018年4月29日日曜日

【展示機導入】YAMAHAのフラグシップ・スピーカー『NS-5000』の展示を開始しました。

YAMAHAのフラグシップ・スピーカー『NS-5000』の展示を開始しました。


※YAMAHA NS-5000 ブックシェルフ型スピーカー

『NS-5000』はオーソドックスなデザインを採用したブックシェルフ型です。
ただし、そのデザインとは裏腹に現代のスピーカーが求められる、
多くの基準を満たすべく最新の理論と技術を駆使して開発されたスピーカーです。

まずは、スピーカーにとって重要な、ユニットの振動板。
1970年代後半から1990年代まで、YAMAHAの高級スピーカーと言えば、
ベリリウムを振動板に採用している事で有名でした。

コストパフォーマンスの高さで人気の高かったロングラン・モデルの『NS-1000M』(74年~)、
ホーン・ドライバーを採用した38cmウーハー搭載のフロアー型の『FX-1』(78年)、
YAMAHA・100周年記念モデルの『NSX-10000』(87年、定価80万/ペア)と、
1991年に登場した、日本のスピーカーの歴史の中でも空前絶後と言える超弩級システム、、
4ウェイ・マルチアンプドライブを採用した大型モデル『GF-1』(定価500万~700万/ペア)など、
この他にも多くのモデルが存在していました。


※YAMAHA NSX-10000 ブックシェルフ型スピーカー
YAMAHA・100周年記念モデル

しかし、ベリリウムは加工の際に発生するガスや粉塵が猛毒で、
製造管理が大変難しいという側面を持っている為、製造設備の老朽化にあわせる様に、
YAMAHAのベリリウム振動板採用スピーカーはその歴史を閉じます。


『NS-5000』はそのベリリウムに替わり、
『ZYLON(ザイロン)』と呼ばれる化学繊維を採用しました。
『ZYLON』はベリリウムに匹敵する伝播速度(音速)を持ち、
しかもツィーターだけでなく、ミッドレンジ、ウーハーにも使用可能です。

伝搬速度が高いと、ウーハーの場合は、
音楽信号の振動発生源となる、ボイスコイル接合部(内周)から振動板最外周への、
振動伝達のタイムラグが少なくなり、より確実、正確に空気を駆動する事が可能となります。
ツィーターの場合は、振動板の外周部にボイスコイルが取り付けられており、
このボイスコイルからツィーター振動板の中心点への振動伝達のタイムラグが少なくなります。
ベリリウムがツィーター用振動板として高い評価を得るのは、高い伝搬速度を持つからです。

しかも『ZYLON』を使用した振動板は、繊維を編込んだものがベースとなる為、
金属系振動板の様な強烈なピークを持った固有共振が少ないという魅力があります。
また、YAMAHAが高域用に使用していたベリリウムでは、
ウーハーの様な大型の振動板を作る事は実質不可能といえます。
その点でも『ZYLON』は、ツィーター、ミッドレンジ、ウーハーと、
様々なサイズ、用途のユニット全てに使用でき、
個々のユニットの音色を合わせられるという点でも、魅力的な素材と言えます。

さらにユニットの性能を生かすべく、
ツィーターとミッドレンジの背面には、ユニット背面から放射される不要音を、
長さが異なる共鳴管で打ち消す『R.S.(ResonanceSurpression)チャンバー』を装着しています。


※R.S.チャンバー

吸音材を使用しないこの方式は、フラットな周波数特性を実現するとともに、
自然な響きを活かす事が可能で、デリケートなニュアンスも表現します。

また、ウーハーの背面から放射される不要音の影響で、
エンクロージャー内部で発生する、定在波に関しても新たな方式で対応します。
近年のエンクロージャーは定在波を防ぐために、
平行面をなくした複雑な構造を採用しています。
ただしこの方法は、定在波の発生する周波数帯を分散し、
小さくする事は可能ですが、定在波そのものを無くす事はできません。

『NS-5000』では、あえてシンプルな四角いエンクロージャーにする事で、
定在波を特定の周波数に集約させています。


※アコースティックアブソーバー
 
そこに、調音パネル『ACP-2』の開発で得たノウハウを投入した、
J字型共鳴管を使用した『アコースティックアブソーバー』を設置する事で、
集約された定在波を効率的に吸収、除去することに成功しました。
『アコースティックアブソーバー』は、ウーハーの背圧で共振しない様に、
内部損失の高い素材として、あえて紙を選んでいます。
 
 
これらを収めるエンクロージャーにも多くのこだわりがあります。
YAMAHAの100周年記念モデル『NSX-10000』のフロントバッフルに採用された積層合板を、
『NS-5000』では、フロント、サイド、天地、裏の全6面に採用しました。
 
YAMAHAのスピーカーの歴史の中でも、
高品位な積層合板を使用したスピーカーは、100周年記念モデル『NSX-10000』と、
超弩級システムであった『GF-1』の2モデルのみと言えます。
しかも、両モデルとも積層合板はフロントバッフルのみの使用でしたので、
『NS-5000』が、いかに贅沢な仕様であるかがうかがえると思います。
 

※YAMAHA NS-5000 カットモデル
 
積層合板の質にもこだわり、北海道産の白樺を採用。
木材の節や穴などを、ひとつずつ取り除いて加工するなど、国産材ならではの品質です。
板厚はバッフル面は29.5mm、その他5面は20mmとし、剛性も確保しています。
30cmウーハー・3ウェイ・スピーカーとして、出来る限りサイズを抑えるため、
内容積65ℓのバスレフ方式のエンクロージャーを採用。
ポートノイズの問題に関しては、独自の『ツイステッドフレアポート』を採用する事で対応。
低域の量感、解像度だけでなく、S/N感も高いレベルとなっています。
 
また、YAMAHA伝統の総三方留め構造により、
エンクロージャーの精度、強度的にも高いレベルの仕上げとなっています。
さらには、6面全てにYAMAHAのグランドピアノと同じ、
下地処理、専用塗料、研磨工程を行ったピアノフィニッシュを採用。
 
YAMAHAのスピーカーの歴史の中でも、
トップクラスの上質な響きを手に入れた、高品位な仕様です。
 
設計時にはレーザー測定器による計測と最新FEM解析を駆使し、
スピーカーユニットが発した音が、エンクロージャーにどの様に伝わるかを徹底解析。
さらに伝わった振動が、エンクロージャーからどの様に再放射されるかも、
高精度にシミュレーションする事で、補強桟の配置等を決定しています。
 

※レーザー測定器によるエンクロージャー表面の振動モード測定
 
この測定に使われた技術は、楽器の響きの秘密を測定する為に生まれた技術。
良い響きの楽器には、必ず響き(共振)が発生する場所があるそうで、
現代の楽器で、過去の名機の様な響きを実現する為に開発されたそうです。
『NS-5000』では、逆に余計な響きが発生しない構造とは何かの為に使用されました。
 

これらの測定、開発技術、さらに製造技術により、
高いS/N感(実測でも1%以下だそうです)を実現し、
現代のスピーカーの新しい方向性を示した製品が『NS-5000』です。


YAMAHA NS-5000 ブックシェルフ型スピーカー
定価1,500,000円(ペア/税別)

型式 : 3ウェイ・ブックシェルフ・バスレフ型
再生周波数帯域 : 26Hz~40kHz(‐10dB)、~100kHz(‐30dB)
能率 : 88dB/2.83V/1m
インピーダンス : 6Ω(最小3.5Ω)
搭載ユニット
 ・ツィーター : 30mm・ZYLON製ソフト・ドーム型振動板 / JA-05K6型
 ・ミッドレンジ : 80mm・ZYLON製ソフト・ドーム型振動板 / JA-08B5型
 ・ウーハー : 300mm・ZYLON製コーン型振動板 / JA-3132型
ボイスコイル : 真四角銅線
クロスオーバー周波数 : 750Hz、4.5kHz
フィルター特製
 ・ツィーター : -18dB/oct
 ・ミッドレンジ : -12dB/oct(Low)、-6dB/oct(High)
 ・ウーハー : -6dB/oct
サイズ : W395mm*H690mm*D381mm、D422mm(突起含む)
重量 : 35kg

付属品 : プロテクター(ツィーター、ミッド、ウーハー用)、ポートプラグ


※YAMAHA SPS-5000 NS-5000専用オプションスタンド

オプション
SPS-5000 スピーカースタンド
定価75,000円(1台)

材質 : アルミ(脚部4本はアルミ無垢材)、スチール(天板、スパイク、スペーサー)
サイズ : W393mm*H304mm*376mm(スパイク使用時)、H285mm(スパイク未使用時)
重量 : 8.0kg




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